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このミステリーがすごい!大賞の第一回大賞受賞作は新人賞とは思えないすごい小説だった!『四日間の奇蹟』【読書屋!】

どうも、ケスイケリーガです。

このミステリーがすごい!大賞の第一回大賞受賞作の浅倉卓弥『四日間の奇蹟』を紹介します!ぶっちゃけ、すげぇ小説だわこれ!

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 このミステリーがすごい!大賞の第一回大賞受賞作

このブログではいくつも紹介している「このミステリーがすごい!大賞」の受賞作。

どれも大変面白く読書初心者にもめちゃめちゃオススメできるのでよく取り上げています。

 

今回は第一回の大賞受賞作の『四日間の奇蹟』を紹介します

 

映画化もされていますし、知ってる!懐かしい!って方も多いかもしれません。

 

一方で、そもそも「このミステリーがすごい!大賞」ってなに?って方もいるかもしれません

本賞のサイトにはこう説明されています。

本大賞創設の意図は、面白い作品・新しい才能を発掘・育成する新しいシステムを構築することにあります。ミステリー&エンターテインメントの分野で渾身の一作を世に問いたいという人や、自分の作品に関して書評家からアドバイスを受けてみたいという人を、インターネットを通して読者・書評家・編集者と結びつけるのが、この賞です。

http://konomys.jp/what

基本的に、ミステリーを含むエンターテイメント系の小説が多く、1次選考を通過すると自身の作品の評価が公表されるので、小説を書く人からするとフィードバックを得る機会のある文学賞といえます。

 

何より大賞の賞金が1200万円と文学賞としてはあまりにも破格の金額で、多くの作品が応募される賞となっています。

 

その中で勝ち進んで大賞を受賞するわけですから、とにかく面白く、小説としての出来もレベルの高いものが選出されます。 

 

『四日間の奇蹟』もその例に漏れず、むしろこの賞の金字塔を打ち建てたといってもいいような小説です

 

なぜなら、新人賞にもかかわらず10万部を売り上げたベストセラーになったのですから。

 

ざっくりあらすじと感想

この小説は前半と後半でシチュエーションが大きく異なる。

 

前半部分は主人公の元ピアニスト「敬輔」とこのピアニストに命を救われた障害をもつ少女「千織」の出会いと関係性が描かれる

 

ヘリコプターの墜落事故を境に小説は後半部分へ入っていく

 

後半部分では病院に併設されたリハビリ施設の職員の「真理子」が墜落事故をきっかけに死にかけの重体となってしまう

しかし、真理子の精神は「千織」の体に宿り、体は千織、中身は真理子となる

 

 

真理子はこの不思議な現象は三日目の晩まで続くという夢をみる

 

 

 

敬輔と千織の出会いは敬輔の薬指を犠牲に成り立つ。

千織は海外である銃撃事件に巻き込まれた。

両親は犠牲者となったが、たまたまそばにいた敬輔が千織を助けたのだ。

彼の薬指とピアニストとしての将来を犠牲にすることによって。

 

身寄りのいない千織はピアノが弾けなくなり失意の敬輔に引き取られる。敬輔も人と喋る気にならず千織との間で会話は多くなかったが共に日本に帰国した。

 

千織と暮らすにつれ、千織に障害があることに気づく

 

 

彼女は言葉をうまく操ることができなかったのだ

 

 

それでも、敬輔と敬輔の家族は千織を家族として迎え入れ、千織自身も敬輔を慕い始める。

 

ある日、敬輔が千織の音楽の才能に気づき、千織にピアノを教え始める。一音も外さない正確さに驚きながらもどんどん技術を吸収する千織に嫉妬の念すら覚えるほどとなる。

 

それでも千織のピアノが上達することは敬輔にとっても嬉しいことであり、他人とのコミュニケーションに慣れる意味も込めて、老人ホームなどに遠征し、千織のピアノを披露するようになる。

 

ある日、山中にある病院に併設されたリハビリ施設へとピアノを弾きにいく。

 

そこでは体に不自由な人とその家族が相互に助け合いながら暮らすコミュニティのものが形成されていた。

 

そこで、敬輔と千織は真理子に出会う

 

普段の千織であれば人見知りが激しく初対面の人間とはコミュニケーションが全く取れないが、なぜか真理子にだけは最初からコミュニケーションが取れていた

 

そんな中、病院から飛び立つヘリコプターを見に真理子と千織が散歩に行く。

しかし、ヘリコプターは墜落してしまい、千織をかばった真理子は死傷をおう。

 

二人とも意識の無い中で、千織だけが目を覚ますが、中身が真理子になっていた

 

流暢に喋る千織を見て、驚きつつも信じるしかない敬輔だったが、真理子はいずれ死に千織が戻ってくることを感じている。真理子も夢で、3回目の深夜まで千織の体で生き存えることができると知る。

 

死傷を負い死にゆく自分自身を客観視する恐怖と戦いながらも、3回目の深夜まで生きる時間を残されたことには何か意味があるのだと考える。

 

そして、真理子の過去の苦しみと後悔が明らかになり、千織の体ながらもその苦しみと後悔から解放されていく姿が描かれる。

 

 

抽象的で申し訳ないが、悲しみを包む暖かさを小説全体から感じる。

登場人物の誰もに過去の悲しみや苦しみがあり、そこから回復したり解放されたりする瞬間が小説中に散りばめられている。

 

 

前半部分はストーリーとしては大きな山場はないが、後半に続く大きなストラテジーになっている

 

かといって、読んでて飽きてしまうことはなく、千織と敬輔の関係性がありありと描かれ、平凡な日常だが引き込まれてしまう

 

 

これを新人が書くんだからびっくりこいたって感じです

すごいとしか言いようがないですが、面白ければいいんです

 

 

文章もストーリーも読後のほっこりする気持ちも全てが心地良い小説です。

本当にオススメできます。それではグッバイ!

 

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