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◇年間100冊読書日記◇趣味の読書の語り部屋

超能力を無効化する超能力が生み出す設定の妙技『愚者のスプーンは曲がる』【読書屋!】

どうも、こんにちは!アリガテンです。

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面白い小説をまた見つけてしまいました。今日は、桐山徹也『愚者のスプーンは曲がる』を紹介します。2017年の「このミステリーがすごい!」大賞の隠し玉作品として出版された小説です。隠し玉作品というのはどういうことかというと、「このミステリーがすごい!」大賞に応募された作品の中から大賞にはならないが、面白く期待できるものを出版してみようという趣旨のものになります(アリガテン見解)

 

この小説にかんしてはストーリーの基盤となる設定が小説の面白さのほとんどを決めたんではないかと思っています。この小説を特徴づける一番大事な設定として、実はこの小説「超能力」が存在する世界が舞台なんです。超能力は誰もが持っているというわけではなく、超能力を持つ人間は限定的であり、超能力を自覚する人も自覚しない人がいる設定です。本書の中では超能力という言葉で表現されていますが、どちらかというと特殊能力とイメージしたほうが近いように思います。たとえば、液体の水温を自由に操れる力や毒が効かない力、透視する力など多様な特殊能力が登場します。

さらに、その特殊能力を持つ人間はなんらかの代償をもつという設定になっています。たとえば、熱いものを食べられない代償、常に頭痛がする代償、笑うことができない代償など、特殊能力と同様様々な代償が登場します。設定が非現実的な小説って個人的にはあまり好みではないんですがなにより主人公の設定が、超能力という非現実的な設定をアリにさせてしまっているんです。

主人公の設定はなんと彼の周りでは超能力も代償も無効化されるという超能力なんです。これによって、小説の中で多様な超能力を持つ登場人物がいるにもかかわらず、その肝心な超能力を発現させる場面がほとんどないんです。物語の中心にいる主人公が作者がわざわざ設けた「超能力」という設定を無効化してしまっているのです。つまり、非現実的な設定を主人公の設定によって打ち消し、非現実的な世界が舞台だが非現実的なものは物語の前面に出てこないという構成になっています。

 

主人公はとにかく運が悪い男子大学生の瞬。彼は自分では気づいていなかったが「超能力と代償を無効化する」という超能力を持つ。その代償としてとにかく運が悪い。超能力に気付かない瞬は大学入学と同時に上京し、そこで2人の超能力者に襲われる。彼らにとって「超能力を無効化する」能力というのは非常に危険であり、悪い芽は早めに摘むに限る宜しく瞬を殺すというミッションがあった。しかし、ひょんなことから命拾いした瞬はこの2人が所属する組織にアルバイトとして働くこととなる。そのアルバイト先で、超能力が絡んだ数々の事件の情報を入手していく。そして、ある事件に巻き込まれた形で仲間の超能力者が殺されてしまい、その能力者が担当していたミッションを引き継ぐこととなった。そのミッションをクリアしていくために、瞬が働く組織事務所のメンバーが活躍する。

 

どのキャラも特殊能力を持っているという点を差し引いても個性的で際立ち、ストーリーも最初の設定さえ受け入れれば非常にシンプルで面白いミステリーテイストになっている。ただただ面白い小説を読みたいという時にはオススメです。

 

↓ こちら2015年の「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した作品です

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 ↓ほかにもいろいろなジャンルの読書をしています。よかったら覗いてみてください。

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