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5つのリドルストーリーが1つの男の思いを紡ぐ『追想五断章』【読書屋!】

どうも、こんにちは!アリガテンです。

また読んじゃいました米澤穂信作品。最近頻度高いですよね、すみません。 

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でも、どれを読んでもページがサクサク進んでしまうほど面白い小説ばかりなんです。読書初心者さんがサクッと面白い小説を読みたい!となったときはまず一番にオススメできる作家さんかもしれません!アリガテンが最近ハマっているなかでも、今日紹介するのは米澤穂信『追想五断章』です。

 この小説は5つのリドルストーリーが重要な要素として登場します。リドルストーリーとは、物語の結末を作者が用意せずに終わらせる物語の手法のことです。通常、作者が結末を用意しないということは読者に結末の想像を任せる形となり、その結末には複数の解釈が可能となります。『追想五断章』がリドルストーリーなのではなく、小説の中に5つのリドルストーリーが含まれている形式となっています。

 

ある古書店で居候兼レジ係をする大学休学中の菅尾芳光が主人公。ある日、彼のもとに古書店の客には似つかわしくない小綺麗な恰好をした女性が訪れる。その女性はある同人誌を手に入れるためにわざわざ東京まで長野県松本市からやってきたという。確かに、その同人誌は芳光の働く古書店に存在した。その同人誌にある「叶黒白の小説」が彼女の目当てだった。

彼女が思っている以上にすぐ見つかったため、彼女は芳光に追加の依頼をする。その依頼内容は「叶黒白が5つのリドルストーリーを世に残している。この5つのリドルストーリーを見つけてほしい」ということだった。叶黒白は有名な作家ではなく、個人的に小説を書き、その小説が5作あることだけが手がかりであった。なぜ、5作なのかというと彼女が結末の一文を5種類持っているからであり、叶黒白は彼女の亡くなった父であったからである。1作発見する毎に10万円の報酬を支払うという依頼に芳光は断ることができなかった。

そこから、芳光は人が変わったかのように熱意をもって叶黒白の小説を探し始める。1つ、また1つと見つかっていくうちに、叶黒白の人となりや人生が明らかになっていく。彼は昔、殺人の疑いをかけられマスコミから強烈なバッシングを受けたことがあった。その攻撃から逃れるために東京を離れたが、自身の生き様を世間に訴えたいという思いがいつも彼の心のうちに秘められていた。そして、小説を描くことが真実はなんであったかを主張する唯一の手段だったのだ。それは彼が真実を声を大にして主張することを許さない状況下での、精一杯の手段だったのだ。

リドルストーリーを芳光が発見するたびに、そのリドルストーリーに叶黒白の人生そのものが描かれる。ただし、それには結末はない。しかし、依頼主の手には結末の一文があり、私たち読者はそのリドルストーリーの結末を知ることができる。そして、リドルストーリーの結末まで読み終えると叶黒白がどのような状況にあり、どのような思いであったかを伺い知ることができる。この展開が読者を惹きつけ、自分の意志に問わずページが進んでいく。5つのリドルストーリーを中心に芳光の活躍が小説の面白みとなり、リドルストーリーと叶黒白の人生の繋がりを読み取るように読んでいくとよいだろう。そして、最後に待つどんでん返しに読者は驚かされる。謎解きの様相で進んでいく物語に読者の私たちは吸い込まれていくだろう。おすすめです。

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