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◇年間100冊読書日記◇趣味の読書の語り部屋

『人口と日本経済-長寿、イノベーション、経済成長-』人口減少を迎える日本の未来を考える!【読書屋!】

読書 書評 経済

どうも、こんにちは!アリガテンです!

 

今日は週刊ダイヤモンドで2016年のベスト経済書第一位に選ばれた 吉川洋『人口と日本経済-長寿、イノベーション、経済成長-』を紹介します。会社の通勤途中にある本屋で平積みされているところを見つけたのですが、その後どの本屋に行っても注目されてますね。

 小説ばかり読んでいますが、実は、ITやら経済経営なんかの本も興味あるんです。

www.bookbank-58.com

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小説を読む時はそのストーリーの中にどっぷり入り込むんですが、評論や新書の類はかなり否定的に読むことにしています。今回紹介する『人口と日本経済-長寿、イノベーション、経済成長-』は筆者の視点から、人口減少が避けられない日本のこれからの経済がどうなっていくかを論じています。筆者の独特の視点と論理構成が面白かったのですが、私自身は筆者の考えに100%の同意はできないなという意見を持っています。

 

人口減少と経済の関係性といえば、人口減少が日本経済の縮小をもたらすという人口減少悲観論が主流の考え方といえます。人口が減れば日本の労働者も減り需要も減少し従って経済が縮小するという考えは一見自然なように思えます。この人口減少悲観論に疑問を呈し、経済成長は人口の増減とは別の理由によって生じると説いています。

 

筆者の考え方をまとめると、日本の人口は減少していくが、経済は人口の増減によってではなく、イノベーション(技術革新)によって成長していくということだと言えます。

日本の人口減少が進む!

日本の人口減少については言うまでもないだろうがデータを用いて示しておく。

日本は2007年にすでに超高齢社会(総人口に対する65歳以上が占める割合が21%以上)を迎えている。そして2015年には26.7%ととなり、4人に1人が65歳以上という国になっている。ただ、この割合は今がピークではない。これからどんどん上昇していき、高齢化率がピークとなるであろうといわれている2060年(私も高齢化人口に仲間入り!)には、65歳未満と65歳以上の比率は1.3対1といわれている。

 

ほとんどジジイ&ババアだ。

 

そして、高齢化率が進めば進むほど総人口も減少する。2013年に1億2700万人だったものが2030年には1億1600万人、2060年には8600万人にまで減少する試算である。

 

経済成長は人口増減ではなくイノベーションがもたらす!

本書における筆者のメインの主張は「経済成長は人口増減ではなくイノベーションによってもたらされる」ということである。この主張の論拠は過去の経済が大きく成長した時と人口の増減の対比データによる。

 

たとえば、日本の戦後経済成長には目を見張るものがあることは周知の事実だろう。その時代の人口増減はどのようなものだったかというと、人口は増加してはいるが、経済成長率と比較すると大きく乖離していることがわかる。このようなデータを用いて、人口増加と経済成長に強い連関が無いと主張する。

 

もちろん、筆者も労働力の低下は避けられないことを認めているが、これからはソフトの面で技術革新を推進していくことが日本が強い経済を維持することに必要だと説いている。

 

ちょっぴり批判的な個人的意見

筆者の論理展開とデータには興味深いものが多く、文章としては非常に楽しめるものだった。

一方で、全てアグリーかと言われるとそうでもない。特に、人口が減じた際に経済がどう変化するかの明確なデータがあげられていないことが私の納得感を小さくしている。

確かに経済成長のフェーズでは人口の増減に関わらず技術革新が起これば経済は成長すると思う。だが、人口が減じた場合経済が縮小しない(ないし、縮小する傾向にない)とは言えないのではないだろうかと思う。

事実、過疎化が進む地方自治体などで経済が成長しているというのは聞いたことがない。この点に対する指摘があれば、より納得感は高いなと思う。

 

 

総じて、十分なデータを用いて論理立てているので、この類の文章としては非常に面白いと言えるかと思います。興味があれば是非読んでみてください!