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◇年間100冊読書日記◇趣味の読書の語り部屋

人間とロボットに違いはあるのだろうか。。。『人間と機械のあいだ-心はどこにあるのか-』【読書屋!】

どうも、こんにちは!アリガテンです。

 

ロボットという言葉を聞けば、誰もが各々が思うロボットを頭に浮かべる。工場で人間に代わって部品を組み立ててくれるロボットを想像する人もいれば、鉄腕アトムやPepperといった人間に近いロボットを想像する人もいるだろう。

 

今日紹介するのは、ロボットが生命に近づくための研究をしている二人の論考と対談を納めた 池上高志 石黒浩『人間と機械のあいだ-心はどこにあるのか-』です。

 

 

 

著者の二人は両者とも生物でないものに生命に近づけようとしている研究者だ。

 

だが、そのアプローチ方法は大きく異なる。

 

 

池上氏は人工生命研究の研究者であり、ロボット(非生物)に生命を宿そうとするアプローチ。そのため、生命らしい振る舞いや構造は何によってもたらされるのかを追求する

 

一方、石黒氏はロボット工学の研究者であり、人と関わるロボットを作成するために、生命や人間の行動を観察するアプローチ。ロボットがより人間らしい行動をすればそのロボットはより人間らしくなると考える

 

実際、石黒氏はマツコ・デラックスをモデルにしたマツコロイド(TVなどで見たことのある人もいるだろう!)を作成したロボット工学の第一人者である。マツコロイドはマツコ・デラックスの動きを観察・分析し、可能な限り同じ動きができ、それはつまりマツコらしさを体現しているのだ。

 

 

 

二人の研究には共通するものがある。

 

それは「人間性とはなにか」という問いだ。

 

 

二人はアプローチは違えどロボットという道具を使って、人間とはなにかという問いを解明していくことを目指している。

 

池上氏は、生命を生命たらしめる構造や理由を明らかにして、そのうえでロボットに生命たらしめるのに不可欠なものを組み込もうというボトムアップのアプローチ。

 

一方、石黒氏は先に可能な限り人間らしいロボットを作り出し、実際の人間や社会に触れることで、そのロボットの人間らしさを説明するというトップダウンのアプローチ。

 

この両者が双方の意見を交えながら対談しているのを納めたのが本書だ。二人の意見は一致したかというと対立し、対立したかと思うとまた一致する。それは、二人の研究の本質部分は同じだがアプローチが異なることによって表出するものである。この分野の第一人者の二人がそれぞれの立場から最新技術の話題を交えながら「人間とはなにか」という問いへの接近を説いている。

 

二人の対談は、時に同意し、時に自論を展開し、時に相手の意見に驚き、時に否定することで二人の異なる部分と同じ部分が明確であり非常に比較のしやすい形になっている。

 

 

ロボットやAI周りの最先端の考え方にも触れることのできる良著です!!