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◇年間100冊読書日記◇趣味の読書の語り部屋

お笑い芸人が霊能者に成りきって・・・奇想天外なストーリー『大仏男』【読書屋!】

どうも、こんにちは!三度の飯より本が好きアリガテンです。

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このブログでも以前いくつかの小説を紹介した原宏一さんですが、またまた本屋で手に取ってしまいました。今回は『大仏男』を紹介します。

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 お笑い芸人を目指す男女の二人組が売れるために試行錯誤しながら努力していくストーリー。

これだけ聞くとどこにでもありそうな話ですが、原宏一さんの書く小説はやっぱり奇想天外、想定外の方向に進んでいきます。

芸人が売れるためになくてはならないネタをより面白いものに磨いていこうとする二人。二人のネタのテーマは霊能者

よりリアルな霊能者を演じるために霊能者になりきることに。すると、芸人よりも向いているのではというくらい驚異の才能を発揮して一世風靡の話題の霊能者となってしまいます。芸人として売れるための努力の一つだった霊能者になりきることがいつのまにか霊能者として売れていくという方向にシフトチェンジしてしまいます。

霊能者としてより売れていくために、お金と力を持った権力者に近づいていく二人。その権力者からまたお客さんを紹介してもらってまたその先の・・・というように口コミで二人の噂はどんどん広がっていき、最初は成りきりのつもりが霊能者業に真剣に向き合っていき、売れっ子霊能者として認知されていきます。

順調に霊能者商売が進んでいく中で、不思議と疑問が巻き起こる。芸人として売れようと努力してたのになにやってるんだろう、本物の霊能者じゃないのになにやってるんだろう。現在の自分の立ち位置に迷いがあることを自覚する。

 

"人は生まれ落ちた瞬間から長い道のりを走り始める。そのとき、目標を持っている人など一人もいない。まずは走ることからはじめて、ただひたすら走り続けているうちに、やがて目標とか夢とか希望とかいったものが見えてくる。それがいつ見えてくるかはだれにもわからない。・・・中略・・・人は目標を見つけるために走っているのではなく、走り続けるために走っているのだから"

 

自身の中にある迷いを自覚しながらも目の前の仕事をこなしていこうと努力するが、贔屓にしてもらっている社長の周辺でトラブルが起こり、そのトラブルに巻き込まれてしまう。そこでようやく目の覚めた二人は、霊能者業をすっぱりやめることを決意します。二人は身の危険を感じながら、自分たちの入ってしまった世界が本来自分たちの居場所ではなかったことを痛感していく。

 

自分の当初の目標のために向かっているうちに気付くと自分の思ってもいない方向に走っていることがある。たとえば、このブログ。私は自分の読書メモの気持ちで始めた。だが、書いているうちに見てくれる人がいることを知り、見てくれるのであれば少しでも有意義な時間を過ごしてほしいと思っている(実際どうかは知らないが間違いなく「思い」はある)。

目標に臨む中で目標が変わるのもありだし、本来の目標に進むべきというのもわかる。そういう自分に向き合ったときに、どう舵取りするかは人それぞれだが、1つの解決策としてどうあるべきかを教えてくれる小説だといえる。

 

それを芸人コンビ&霊能者という設定で描くのはやっぱり奇想天外、予想外だ。それがたまらなく面白く、原宏一小説の魅力なのだけれども。

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