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杉原千畝ってやっぱりカッコいい。『諜報の天才 杉原千畝』【読書屋!】

どうも、こんにちは!

三度の飯より本が好きアリガテンです。

 

杉原千畝って人は知っていますよね?知らない人がいたらGoogleでもYahooでもいいので調べて知っておくといいですよ。最高にカッコイイ日本人ですから。

 

 

誰しも、1人くらいは尊敬する人ってのがいるんじゃないかと思う。両親を尊敬している人もいれば、恋人や友達を尊敬する人もいるだろう。歴史上の人物や有名人を尊敬する場合もあるだろう。私にとってはこの杉原千畝が尊敬する人の一人なのだ。

 

そして、今回紹介する白石仁章『諜報の天才 杉原千畝』は彼の一生を「諜報」の力を有効に用いた人間(筆者は「インテリジェンスオフィサー」と呼ぶ)として詳細に描きだしている。

 

 

杉原千畝で有名なエピソードはリトアニアで大量のユダヤ人に対し日本の通過ビザを発給したことだろう。その行動によって、6000人の命を救ったと言われている。この行動は人道的であり賞賛されるべきものだが、そもそも杉原がどういう人物で経歴でどのような考えを持っていたかという背景を知っている人の数はぐっと少なくなるのではないだろうか。

 

 

そう、本書ではその有名なエピソードが起こるまでの杉原の経歴や人物像をかなり明確にし、そうすることでその後のビザ発給という杉原の行動がよりクリアに見えてくるようになっている。

 

インテリジェンスオフィサーとはどういう姿のことをいうのだろうか。杉原は情報収集に長けていた。元々のロシア語が専門だったこともありロシア人のコミュニティに自分の居場所を作った。そこが彼の情報源となる。当時の外交官としては異例の情報収集の仕方だったが、その情報源こそが杉原を杉原たらしめた。情報を得るためには自身の身を危険にさらしてでも有用な情報に近づこうとしたし、彼の交渉力は抜群だった。外務官として最重要任務である現地で獲得した情報を本国日本へ送る情報は量が多く的確であり、その情報から導き出される読みは正確なものであった。

 

もちろん、それら有用な情報は杉原自身の情勢判断にも活用される。杉原のいるリトアニアを含むバルト三国、ソ連、ドイツの関係性は非常に敏感で神経質なものとなっていた。すくなくともドイツの対ユダヤ人政策は誰もが知っているように残酷なものであった。それは現地にいるユダヤ人が最も恐れることであり、時間の問題で自分自身の身に危険が迫ることは理解できていた。

 

そのため少しでも早く逃げる、ないし安全な場所へ移動する必要があった。杉原のいる大使館を囲む大勢のユダヤ人に対して日本通過のビザを発給する判断をする。

 

これはもちろん、杉原の独断によるものだ。日本の外務省に問い合わせるとビザ発給はNoという答えが返ってくる。故に杉原は日本を相手にインテリジェンスオフィサーとしての能力を発揮する。ビザ発給についてのアリバイを作りつつ、1人でも多くのユダヤ人がビザを手に入れ日本を通過しアメリカへ行くことができるよう知恵の限りを尽くしたのだ。

 

いまを普通に生きていても、自分の頭で考えられない人が多いように思う。ルールに従うのは簡単だ。しかも、とても生きやすく整備されている現代ではルールやマニュアルに沿っていれば大きな失敗はしない。しかし、ルールそのものがリアルタイムで発生しているイベントに見合わないことは多い。もちろんルールの存在は否定しない。人が社会を持って生きるためには不可欠なものだ。しかし、ルールに縛られていては思考停止の状態となんら変わらない。目の前の状況を時分の目で見て自分の頭で判断する。この力こそがいまの世に求められているのではないだろうか。

 

最終的に外交官を辞職するが、彼は晩年、彼の行動によって生き延びたうちの一人がイスラエルの外交官として杉原を訪ね、またイスラエル政府から勲章を贈られるに至っている。この勲章はホロコーストからユダヤ人を救った人に贈られるもので「諸国民の中の正義の人」という勲章である。

 

彼の行動は正義の人と呼ぶにふさわしいことは間違いないだろう。杉原千畝の生き方を再び見つめたい人にはオススメできます!