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読書屋!BookBankどっとこむ

◇年間100冊読書日記◇趣味の読書の語り部屋

<『捨てられる銀行』橋本卓典>金融庁の型破りな政策と本来あるべき姿の銀行を考える【読書屋!】

どうも、こんにちは!

三度の飯より本が好きアリガテンです。

 

 

今日は小説ではなく新書です!橋本卓典『捨てられる銀行』をご紹介します。

私自身の仕事がファイナンス系なので銀行との取引等が多く、いろいろと内情を知っておく必要があるなぁと思ったのが手に取った理由です。

 

この本が一貫する主張は「地域事業の成功をサポートすることこそが地銀の役割であり、従来の銀行の在り方に固執していてはその銀行はつぶれるしかない」ということです。

 

 

金融庁に森信親が長官に就任し、彼が金融庁のいままでの在り方や政策の指針を根本から変える必要性を主張する。これまでの金融庁の在り方は金融機関のための政策を打ち出す組織であった。

 

しかし、それは顧客のために存在する金融機関という本来の金融機関の目的を見失わせることとなっていた。金融庁が示す指針に基づいたマニュアルさえクリアできれば、銀行を守ることができると考える銀行ばかりになってしまっていたのだ。金融庁のマニュアルをクリアすることで守られるのは金融機関であり顧客ではない。そのマニュアルを守るためには顧客に対して顧客が本来望んでいるサービスの提供に繋がらないという結果になってしまっていた。そこに森信親が金融庁長官に就任することによって、従来の在り方に風穴をあける。

 

 

森長官は金融機関の先にいる顧客である企業の成長や事業展開のバックアップすることこそが銀行をはじめとする金融機関を守ることに繋がると主張する。それは、地域の企業・事業が倒れてしまうことはその地域に根付いた地銀の共倒れを意味するからである。森長官は金融機関を守るために従来のマニュアルに基づいた銀行の経営方針を改めさせ、顧客の満足度や事業へのコンサルティング等、金融機関主導で地域の経済を支えていくように仕向けていく。

 

 

本書では、森金融庁長官の指針を大きなターニングポイントとして捉え、数多くの事例とともに紹介している。地銀のあるべき姿は地域企業・事業のサポート、地域事業の再生を銀行自らがリスクを取って推進させていくことだという主張とそれによって良い変化をもたらした地銀の例を使い、その主張の正当性を論じている。

 

 

個人的には、新しい取り組みへの驚きよりも、従来の金融庁・財務局・銀行の在り方に驚かされることとなった。旧態依然、時代遅れな仕組みで、こんなことがまかりとおっていたのかという感じである。森長官の登場までその部分に一石を投じるものがいなかったことを考えると、非常識が常識となってしまっていた環境があったのであろう。

 

 

地銀の理想的在り方や金融庁の姿勢など、私たちを取り巻く金融の一片を垣間見ることができますよ。