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◇年間100冊読書日記◇趣味の読書の語り部屋

<『空飛ぶタイヤ』池井戸潤>大企業に挑んでいく小さな会社の頑固なオヤジがカッコイイ!!【読書屋!】

どうも、こんにちは!

三度の飯より本が好き、アリガテンです!

 

今日は超売れっ子作家、池井戸潤さんの『空飛ぶタイヤ』をご紹介!

 

池井戸潤さんといえば、多くの作品がドラマ化していますよね。数年前に一世風靡した「半沢直樹」の原作者です。倍返しだ!ってやつですね。どこいっても流行ってました。

 

 

でも、私の根があまのじゃくなもんで、池井戸潤さんの作品を読んだら負けだなんて思ってたのであまり読んでこなかったんです。

 

ただ、今回は大学の後輩からオススメされたので読んでみました『空飛ぶタイヤ』!

 

いやぁ~~~、いままで読んでこなかった自分が負けでした、マジで。

 

 

 

文庫本で800頁以上の超大作ですが、あっという間です。もう気分爽快すぎてページめっちゃめくりますよ!

 

 

人の命を奪ってしまった事故を起こした運送会社の社長が主人公です。いわゆる中小企業の社長ってやつなんですが、これがまた頑固で強くて。惚れちまいます。

 

事故が起きてしまい人命を奪ってことには悔やむ一方で、絶対に自分の会社が原因でないと信じる主人公は、自分自身よりも大きく強くどうしようもないような奴らに立ち向かっていきます。事故の原因を彼の会社のせいと断言する、大企業、取引先、マスコミ、警察、息子の学校での保護者たち、ありとあらゆるものです。

 

 

どんなに断定されても、どんなに信じてもらえなくても、家族や社員、信じていてくれる一握りの味方のためにかのとんでもなくでかい悪魔たちと戦っていく。

 

 

そこには家族や命の大切さ、正義を貫く信念、人の心を動かす熱意などがぎっしり詰まっています。

 

 

彼の周囲の人間たちも彼の熱意と苦悩に触れ、あるものは彼を非難し、あるものは彼を救い、またあるものは彼から勇気をもらい悪魔に立ち向かっていく。

 

この小説の中にある一つの一貫した構造は、正義の仮面を被りマジョリティの支持を得た悪魔とそれに潰されそうになりながらも立ち向かっていく弱く小さな諦めない力です。

 

弱いものが巻き起こす大逆転劇こそが、この作者のこの作品の醍醐味なのだろうと思っています。そこにこそドラマがある。

 

 

私自身、学生の頃に大きな挫折をしている。あるどでかい組織を変えたくて、自分の頭では絶対正しくて正義だと思うことを行動した時に、周りの理解を全く得ることができなかった。そのとき、どれだけ人の心を動かすことが難しいかを思い知った。

 

 

もし、私がその時にこの作品と出会っていたら、とんでもない勇気をもらっていたと思います。小さな会社の頑固なオヤジに惚れちまうだろうなって。

 

 

 

今回は気に入った部分が2か所あったので引用も2か所から。

 

 

" "歯車"という言葉には良いイメージがない。組織の歯車。人生の歯車が狂う―たとえとして使われるときの歯車は、意思も自由もなく、かといって無いと困る必需品だ。ただ摩耗していくだけの取るに足らないひとつの部品である。"

 

 

"緊張感に身震いしたくなる。こんなことがあろうと、常に目指すべきは事の本質だ。形式や先入観にとらわれたとき、その本質は見失われ、安直だが見当違いな結論だけが目の前にぶらさがるってわけだ。"

 

 

恥ずかしながら、これから他の池井戸作品読んでみます。笑