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◇年間100冊読書日記◇趣味の読書の語り部屋

<『爪と目』藤野可織>ストーリー全体を不気味さが包む、三歳児が語るホラー小説【読書屋!】

どうも、こんにちは!

三度の飯より本が好き、アリガテンです!

 

 

今日紹介するのは藤野可織『爪と目』!2013年の芥川賞受賞作品ですね。

 

 

どうでもいい話なんですけど、私の出会ってきた女性で名前が「かおり」という方は、皆さん良い人で綺麗な人が多いっていう個人的統計があるんです。世のかおりさん、ありがとう!笑

 

 

っていうのもあって、今回ご紹介する小説の著者かおりさんじゃないですかぁ、

 

だからまさかこの作品がホラーなはずないでしょ~

 

表紙もちょっとかわいいしさぁ~~

 

ホラーなはずないよぉ。。。

 

ってめちゃめちゃ怖いじゃないですかぃっっっ!!!!

 

 

と、いつもとは違うテンションでお送りしております(汗)

 

 

まずもう二人称でストーリーが進んでいくんですけど、冒頭から気持ちよくないわけです。

 

三歳の女の子が父親の再婚相手を「あなた」と称して物語が進んでいくんですから。

 

私たちが持つ子供像とはかけ離れていて、すがすがしさや純粋さ、きれいな感じが全くしない。

 

 

終始、気味の悪さが一文一文、どのシーンでもベタッとまとわりついてくるんです。

 

 

"「あんたもちょっと目をつぶってみればいいんだ。かんたんなことさ。どんなひどいことも、すぐに消え失せるから。見えなければないのといっしょだからね、少なくとも自分にとっては」"

 

 

不倫関係から結婚にいたった女性を三歳児の「わたし」は「あなた」という。不倫すらも、三歳児の視点から語られる。その不気味さ。「あなた」は「わたし」の実の母親の不可解な死によって「わたし」の父と結婚する機会が巡ってくる。

 

実の母親の死をきっかけに「わたし」の近くに現れた「あなた」。

 

「わたし」はよくしつけられた子供。大人の手がかからない子供。言ってしまえば、こどもらしくない子供。無機質なようにすら感じる子供。 

 

「わたし」が描く「あなた」からも無機質さを感じざるを得ない。自分事でない、なにもかも他人事のようで、表面的には上手くいきている「あなた」。

 

そんな「あなた」は「わたし」となにがちがうんだろう。

物語の最後の一文でどうにも不気味なストーリーに最後の隠し味と言わんばかりの不気味さを加えてくる。読後感はすこぶる悪い。悪いというか恐ろしいと表現したほうが適切かもしれない。

 

 

 

爪と目。このタイトルが今の私には気味が悪い。

 

「わたし」と「あなた」に何が起こるのか、最後の一文がやけに頭に残る。

 

ページ数は多くないが、じっくり読んでみてほしい。