読書屋!BookBankどっとこむ

◇年間100冊読書日記◇趣味の読書の語り部屋

<『すべてがFになる』森博嗣>現実ってなんだろう、考えまくった夜

どうも、こんにちは!

三度の飯より本が好き、アリガテンです!

 

久しぶりにドハマリしてしまいそうな作品に出会いました!

 

有名ですし、名前は聞いたことがあったんですが今までなかなか手に取らず。。。古本屋でたまたま出会ったのを機に読んでみましたすべてがFになる

 

もう、森博嗣さんの小説を片っ端から読みまくりたい気持ちです。

 

 

作者の森博嗣さんは名古屋大学の工学部の教授をされている方です。研究論文という意味では幾つも著作があります。そういう意味では文章を書くのは慣れていたのかもしれません。

 

小説出版という意味での一冊目である本作。メフィスト賞という文学賞の第一回目の受賞作品です。(本作に箔を付けるために、出版社側がメフィスト賞を創設したとかなんとか。)森博嗣さんが工学博士ということもあり、コンピュータやシステム系の背景が物語を構成していきます。

 

 

主人公の犀川先生とその教え子でお嬢様の西之園萌絵。そして、天才真賀田博士。多くの登場人物が個性豊かに描かれます。

 

研究所で起こった殺人事件を犀川先生と西之園が紐解いていく、そしてその中で真賀田博士の天才っぷりが余すところなく描かれます。

 

2017年のいまでこそ理解できる仮想空間と現実の対比、それを1996年に既に描いていることがすごいと評価せざるを得ません。「コンピュータの仮想空間で生きる世の中がすぐ来るぜ、現実って言葉の意味なんてかなり曖昧だぜ」と宣言されているかのようです。

 

事実、現在は人工知能やIoT、シンギュラリティーなんて言葉が一般用語として浸透しつつあります。科学が人間を越える時代がすぐそこに来ているのかもしれません。

 

 

"「先生・・・・・・、現実ってなんでしょう?」萌絵は小さな顔を少し傾けて言った。「現実とは何か、と考える瞬間にだけ、人間の思考に現れる幻想だ」犀川はすぐ答えた"

 

ミステリー小説という部類にすんなり収まらない重厚で知己に富んだストーリー。

誰もが生きているはずの現実が時に残酷さをもたらす、そんな時に人は思うんだろう現実ってなんだろうって。考えても考えても目の前の世界は変わらない。でも、目の前の世界って本当に目の前にある世界なんだろうか。もしかしたら、自分の頭の中で作り出した勝手な画かもしれない。それでも、その画を生きなくてはならないのが私たちなんだろう。

 

 

彼の作品を本屋さんで見つけた際はぜひ手に取られるといいと思います。おすすめです!