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◇年間100冊読書日記◇趣味の読書の語り部屋

<『The Catcher in the Rye』J.D.Salinger 訳:村上春樹>不器用に生きることの美しさ!【読書屋!】

どうも、こんにちは!

三度の飯より本が好き、アリガテンです。

 

今日は誰もが知ってる名作『The Catcher in the Rye』をご紹介します!

 

その名作を、現代日本人作家で世界的に著名な村上春樹の翻訳バージョンです。

村上春樹作品に多くの熱心なファンがおり、彼ら彼女らを「ハルキスト」との愛称で呼ぶことは有名です。

 

私は、ハルキストという程ではないですが、村上春樹作品は大好きです。

高校生の時に読んだ『ノルウェイの森』は、本を読んで初めて号泣した作品として記憶に残っています。

 

彼の作品はひと昔前に書かれたものであっても、つい最近書かれたかのように一文一文が新鮮で、文章にもストーリーにもドンドン吸い込まれてしまうわけです。

 

ちなみにですが、村上春樹待望の新刊が2017年2月24日に発売されますよー

『騎士団長殺し』私はもう予約ずみです!!

 

 

『The Catcher in the Rye』、主人公はホールデンという少年。

 

彼のような奴がそばにいたら間違いなく「ムカつく!」と叫びたくなってしまうだろう。

 

しかし、ページが進むにつれ、そのムカつくホールデンが可愛くなってくる。

 

なにをやっても上手くいかないホールデン、達者な口を少し控えめにすれば上手くいきそうなのに。

 

相手を傷つけ苛立たせるホールデン、もっと自分に素直になれば仲良くなれそうなのに。

 

妹思いのホールデン、その優しさで自分自身をもっと愛せばいいのに。

 

読後には、そんな思いがあなたの心の中を支配するだろう。

 

 

 

誰もが器用に生きていければ、世の中で苦しむ人は少なくなるかもしれない。

 

ただ、人はそんなに器用じゃないはずなんだ。

 

だって、誰もが生きるってことが初めてなんだもの。

 

どんなことであっても初めから上手くいく人なんていない。

 

 

こんな話がある。

 

平成27年度の国内自殺者数は約24,000人だという。

 

東日本大震災の死者数が約16,000人だ。

 

この数字に、あなたはどう感じるだろうか?日本の死者数は衝撃的な数と言えるだろうか。

 

少なくとも、私はこの話を聞いたとき悲しみと驚愕で包まれた。

 

彼らはなにに苦しんだんだろうか。

 

なぜもっと器用に生きていけなかったのだろうか。

 

器用に生きていけば、自らの生を自らの手で終えることなどしなかったのだろうか。

 

それは誰にもわからないけれど。

 

 

 

行き場がなくなったホールデンが寝床を求めた教師はこう言った。

 

"君が無価値な大義のために、なんらかのかたちで高貴なる死を迎えようとしているところがね・・・中略・・・彼(ある精神分析者)はこう記している。『未成熟なるもののしるしとは、大義のために高貴なる死を求めることだ。その一方で、成熟したもののしるしとは、大義のために卑しく生きることを求めることだ』"

 

ホールデンは不器用だ。ただ、純粋で心の中には彼なりのヒューマニズムがあふれている。それは他人には理解されないし、上手くいかない現実にホールデン自身も気付いてしまっている。そこに、ホールデンと読者のあなたを結ぶ何かがある。

 

不器用に、だけど、全力で生きるホールデンの葛藤を読んでみてほしい。

 

きっと、あなた自身の経験と重なる部分があるはずだから。